京都の古い家に住んでいます。夏の風通しを考えて造られた家なので、冬は寒い。以前、引き戸に隙間テープを貼って隙間風を止めた話を書きましたが、★それでも足りないのが暖房です。
エアコンが、効かない。
正確に言えば、効いていないわけではないのですが、天井付近だけが暖かくなって、足元はいつまでも冷たい。断熱材の入っていない古い家では、暖めたそばから熱が逃げていきます。
そこで使っているのが石油ファンヒーターです。古い道具に見えるかもしれませんが、古い家にはこちらの方が合っていました。
良かった点
足元が暖かい
これが一番の違いです。エアコンの暖気は天井にたまりますが、石油ファンヒーターは床に近いところから暖かい風が出るので、足元から暖まります。
「部屋の温度」は同じでも、体感がまったく違う。50代になると冷えが応えるので、この差は大きいです。
移動できる。だから隙間風と戦わなくていい
これは古い家に住んでみて気づいたことです。
エアコンは壁に固定されています。だから隙間風が入る場所に暖房を近づける、という選択肢がない。一方、石油ファンヒーターは持ち運べるので、「今日はこの部屋」「この位置が寒いからここに置く」と動かせます。
隙間を全部ふさぐのは古い家では無理です。でも暖房の方を動かせば、隙間風に正面から立ち向かう必要がなくなる。発想を変えてくれた点でした。
部屋全体でも、ピンポイントでも使える
温度設定を変えるだけで、部屋全体を暖めることも、自分のいる場所だけを暖めることもできます。わが家は部屋数が多く、全部を暖める必要はないので、使う場所だけ暖める運用が合っていました。
高齢の父の部屋でも使っている
86歳の父の部屋でも使っています。そして、ここで思わぬ利点がありました。
ボタンをひとつ押すだけで、いつも同じ温度になる。 コンセントさえ抜かなければ設定は保たれるので、父が何かを覚える必要も、操作を間違える余地もありません。
エアコンだと、こうはいきません。リモコンを探さなければならないし、ボタンが多く、何かの拍子に設定温度が変わってしまう。その結果、「暑い」「寒い」と言われることがなくなりました。リモコンを探し回ることもなくなりました。
高齢の親がいる家では、機能の多さより「毎回同じことが起きる」ことの方が価値がある、とあらためて感じています。
思ったより安全な造り
火を使う暖房と聞くと身構えますが、火の出る部分は本体に囲われていて、直接触れる構造ではありません。前に物を置かないという基本さえ守れば、過度に心配するものではないと感じています。
さらに、一定時間が経つと自動で消える機能がついています。消し忘れても勝手に止まるので、これも高齢の家族がいる家では安心材料です。
においはあまりしない
昔の石油ストーブの印象で敬遠する人もいると思いますが、今のものはにおいがほとんど気になりません。点火時と消火時に少しする程度です。
正直な欠点:灯油です
良い点を並べましたが、不満は全部「灯油」に集約されます。
寒い中、給油しに行かなければならない
当たり前なのですが、灯油は減ります。そして給油は屋外か玄関先の作業になるので、一番寒い日に、一番寒い場所で給油することになる。暖まりたいから使っているのに、です。
なくなればガソリンスタンドまで買いに行く
タンクが空になれば、ポリタンクを車に積んでガソリンスタンドへ。これが地味に面倒です。電気やガスのように「使えば自動で請求が来る」というわけにはいきません。
灯油が、はっきり高くなった
そして価格です。以前は18リットルで1,700円前後でした。それが今は2,400円ほど。約1.4倍です。
今後も情勢次第でさらに上がる可能性があり、正直なところ心配の種です。「燃料費が安いから石油」という時代ではなくなってきました。
それでも使い続けているのは、暖かさと移動のしやすさが、古い家ではそれを上回るからです。
使うときの注意点
石油ファンヒーターは室内の空気を使って燃焼するため、定期的な換気が必要です。メーカーも1時間に1〜2回程度の換気を案内しています。気密性の高い家ほど意識する必要がありますが、わが家のような隙間の多い家でも、習慣として窓を開けるようにしています。
こんな人におすすめ
- 古い家・断熱の弱い家で、エアコンでは足元が寒いと感じている
- 部屋数が多く、使う場所だけ暖めたい
- 暖房を移動させて使いたい
- 高齢の家族がいる家(操作が簡単で、消し忘れても自動で止まります)
逆に、給油の手間が許せない人には向きません。エアコンやオイルヒーターの方が精神的には楽です。
まとめ
エアコンが悪いのではなく、古い家とエアコンの相性が悪いのだと思います。天井に熱がたまる構造の暖房と、熱が逃げていく家の組み合わせは分が悪い。
足元から暖める、必要な場所に動かす、そして誰でも同じように使える。古い家で、高齢の親と冬を越すには、この3つができる暖房が現実的でした。灯油を買いに行く面倒と引き換えに、ちゃんと暖かい冬を手に入れています。
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